満天星国の傑作エアバイク“らうーるカー”は、便利で安い国民の足としてわんわん帝国に広く普及した。
自家用車シェア100%といわれるほど多くの人々に親しまれたが、輸送力においては既存の車輪で走る自動車には及ばなかった。
満天星国の自動車業界に携わる人々は、エアバイクにより大きな輸送力を与えるべく、らうーるカーの改良に着手した。
こうして積載量や安定性を高めるため反重力発生装置を増設されたエアバイクは、やがてオート三輪と呼ばれるようになった。
いちばん初期に作られたオート三輪は、反重力発生装置を1基増やしただけの改造らうーるカーだった。
実際にはこのレベルの三輪エアバイクは、以前から自動車修理工場で働いている車好きたちの趣味として独自に制作されていた。
彼らはメーカーから協力を請われたときも喜び勇んで協力し、その情熱はオート三輪の開発に多大な貢献を果たした。
試行錯誤を繰り返しながら、徐々にオート三輪は独自の変化を始めた。オート三輪専用のフレームが設計され、燃料タンクは大型化し、
運転席や荷台が設置されて、オート三輪独特のフォルムを持つようになった。