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突撃兵とは



「誰よりも早く戦場に馳せ参じ、先駆けとして敵陣に穴を穿ち」

「一射の矢となって、敵の動きを封じる」



― 戦術研究部隊  ”星の鷲” ナスル・ン=ナジュム  設立時に交わされた言葉 ―



 T15は、満天星国にとっては苦戦を強いられたターンであったと言えるかもしれない。幾人にも分裂し、増殖した悪しきクーリンガンによる攻撃は広くNWの各藩国に及んでおり、満天星国もまたその例外ではなかったのである。クーリンガンによる宇宙開発拠点“コスモス”の占領、藩国地上部で蜘蛛型サイボーグゾンビによって引き起こされた争乱…。暁の円卓藩王の活躍や、国内の警察官達の奮闘により国内からそれら勢力を一掃することには成功したものの、国内に歩兵からなる騎士団を擁してなお、このような事態に追い込まれた事は藩国首脳部にとって大きな悩みの種であった。宰相曰く、この程度の被害に抑えられたのは誇っていい、との事だったが、それでも、このような事態を繰り返させないために問題点の追及が急がれた。
 課題とされたのは、以下の2点である。

ⅰ.敵拠点への突入、及び制圧。
ⅱ.市街地、あるいは建造物・構造物内部など入り組んだ場所での戦闘能力。

 こうして、それらの課題に答えを出すべく様々な取り組みが水面下で動き始める。それはサイドカーの改良(改良と言っても機体フレームを一から再設計する、新型の開発と呼ぶにふさわしいものだった)であったり、天陽に次ぐ新たなウォードレスの開発に向けた検討であったり……。

 だが、ここで語られるのはそれら兵装の物語では無い。それらにはまたそれぞれ別の物語が存在する。
ここで語られるのはそれらを使いこなす者達。そう、鍛え上げられた肉体と洗練された技術によってそれら兵装の一切を己の体の一部として意のままに操り、戦場を自在に駆ける勇猛な兵士達の物語である。

 こうして、レコンからなるWD特殊部隊から分設する形でエアバイクとWDを利用した戦術の開発や、他の兵種、特にチップボールをはじめとする歩兵支援I=Dとの連携戦術の発展などを中心に研究を進めていく事を目的とした新たな部隊が設立されることになる。使い込まれ歴戦の傷跡が鈍く輝くWDを着こなし、エアバイクを駆る。時に灼熱の砂漠を、時に腰まで水につかるような密林を進み、突撃銃やグレネードを手に様々な戦場を駆け巡り、愛用のバンダナをたなびかせ、いかなる事態においても不敵な笑顔で笑って見せる豪胆な兵士達。


 彼らは、その戦う姿からいつしか「突撃兵」と称されるようになった。