突撃兵 TOP

戦術


 満天星国部隊の用いる戦術はかつて作成された満天星国歩兵戦闘教義を基本骨子としている。これは満天星国の主力であるウォードレスおよびエアバイク装備の歩兵部隊を想定して作成されたものであり、同部隊の運用に際しては、エアバイクの持つ高機動力および歩兵の持つサイズメリットを前面に押し出した運用を行うとしている。この戦闘教義において、満天星国歩兵部隊が取るとしている戦術はおよそ3つに分類できる。

 ・敵性部隊の撃滅し、拠点の制圧を行う『突撃』
 ・友軍部隊と戦闘する敵性部隊の側面あるいは背面へ機動し、挟撃する『包囲』
 ・索敵と共に、レコンの持つ特殊を利用し敵性部隊の行動を妨害する『偵察』

 この3つである。その名からも分かるとおり、突撃兵はこれらの戦術の中でも『突撃』に特化した者達である。
同様に戦闘教義に記述されているが、歩兵による突撃は特に市街地や屋内などのI=D等大型機の行動に多大な制限のかかると戦場において必要される。ここで重要となるのは、I=Dとの連携が不可能、つまり必要な火力および防御力を歩兵のみで達成しなければならないという点である。中でも歩兵の防御面の脆弱さは古くより問題視されており、歩兵突撃による戦果としては最大であろう宇宙での上陸戦(EV136)においても、満天星国の歩兵部隊の防御面はACEユニットに完全に依存しており、仮にACEユニットが不在であれば一転して全滅の可能性が非常に高かったというのが実情であった。無論、次に突撃を行う際にACEユニットが帯同してくれる保証はどこにもない。故に、突撃戦力として運用するためには特に防御面での戦力強化が急務であった。
 このような事情により、突撃兵の運用に際しては、突撃という大きな区分の中でも特に市街地や屋内での戦闘を重視し、防御力の向上を企図した戦術が多く提案されている。中でも中核となるのが以下の戦術である。


<各種グレネードの積極的運用>

 拠点攻略あるいは閉所戦闘においてグレネード(擲弾)が有効であることはこれまでも知られていたが、NWにおいて市街地戦や屋内戦が生じることは非常に稀であったためか、あくまで有効な装備の一種という扱いであり戦術研究は進んでいなかった。これに対し、満天星国では市街地戦や屋内戦での各種グレネードの持つ制圧力および敵火力減衰効果を高く評価し、防御力強化という方向性にも適していたことから、従来の歩兵とは一線を画すレベルで積極的な運用を行っている。実際、配備されているグレネードは他国と比べ数・種類共に異様なほど多く、また各種銃器に容易に着脱可能な新式グレネードランチャーユニットを配備するという徹底ぶりであった。やや過剰にも写る装備ではあるが、それだけ期待も大きいといえる。なお、グレネードの中にはいわゆる非殺兵器に分類されるものあり、これを用いた射撃戦による非殺制圧戦術についても検討されている。確立の暁には、満天星国の治安維持能力は大きな飛躍が期待される。


<エアバイクを主体とした高機動戦術>

 エアバイク装備の歩兵は、突撃の際においてその高機動力(高AR、移動補正)から広い制圧面積(あるいは敵撃破数)を誇る。チップボールへの代替が進み歩兵編成の減少する昨今において、少数で拠点制圧が可能となるそのポテンシャルの価値は上昇していると言えるだろう。だが反面、歩行による高い自由度を持つ通常歩兵と比べると遮蔽物利用や行動選択肢の幅で見劣りする弊害もあり、特に障害物の多い市街地や屋内での戦闘では不利となることもあった。これを改善する為に、突撃兵達は防御面の不利を高速散開や火力制圧からの離脱、有利な攻撃位置への移動といったエアバイクの機動性でカバーする訓練を徹底的に行っている。これは機動力でもって通常歩兵を圧倒するというある意味既に歩兵戦術からはみ出した代物でもあり、今後のエアバイク部隊の戦術研究においてターニングポイントになるのではないかという意見も見られる。

 上記以外にも多数の戦術が検討されているが、いずれも市街地や屋内での戦闘を意識したものであり、歩兵主体の戦闘領域における突撃のプロフェッショナルという突撃兵の性質を色濃く反映されていることが分かる。